千葉徳洲苑 レポート2
千葉徳洲苑(千葉県船橋市)
介護支援専門員の高橋千賀さんは、施設ケアマネージャーという立場。
「私の場合、こちらに入所している方のケアプランを作成するのが主な仕事です。
ケアプランは介護保険が平成12年からスタートになりまして、統一したケアを、ここにいる入居者の方が、職員がいろんな方がたずさわってくるので、統一したケアができるようにということで、ケアプランの作成を担当しています」
とのこと。
「一番はやっぱり老老介護。ご主人を看ている奥様もご高齢で、自分のことで手一杯の方が多いので、もうご主人をおうちでは看られないので、こういった施設に預けて、自分の健康も大切ですし、生活もあるので利用したいというのが一番ですね。
あとなかには、身寄りのない方もいらっしゃいますので、そういう方にも対応しています」
「集団生活なので、個々の利用者の生活スタイルにあわせるのはきついとは思うんですけども。10要望があったら5だけでも叶えてあげようとか。
その人なりの、ここでの生活ができるようなケアプランが立てられるように、というのはいつも心がけています」
つまり、「個別ケア」に少しでも近づける努力をしている、ということですね。
実は高橋さん、以前は歯科衛生士として働いていたのだとか。それがどうして、介護の世界に入ったのでしょう?
「身内で実際に私も介護しているんですね。
自分も介護保険を、家族の介護で、いろいろと勉強させていただいたなかで、この知識を仕事として活かせればなあということで、4年前から、こちらの施設のほうでお世話になっています。
本当にいろんなご家庭のご事情があるので、毎回いろんな発見があるんですね。
自分自身も勉強になりますし、あとはこういう介護保険の施設ですので、なるべく地域に根ざした形で、たとえば虐待のケースであったりとか、なるべく社会貢献という意味あいで、お受け入れを積極的に対応させていただいております。
それが老人保健施設の使命なのかなとは考えています」。
「私たちは、こちらに来られた利用者さんたちの(ADL等の)レベルアップをめざすために働いております。私は、そのための職員のレベルアップおよび指導みたいなことをしています。
ここは、リハビリを行って、よくなっていただいて、ご自宅に帰っていただくための施設。
それを支援する職員にも育ってもらわないといけないので、スキルアップも含めて一緒に努力しております」
「一番気を遣っているのは、職員研修と身体拘束をしないことですね。
身体拘束は一切行わないということで、ゼロ宣言をしておりまして、拘束で使われるような用具というのは、こちらでは一切使用していないので、そのへんだけはほかに対して自慢できるかなと。
まあ、あたりまえだといえばあたりまえかもしれませんが、なかなかむずかしいところです」
※身体拘束
病院や施設において、高齢者や障害者が徘徊したり、点滴やチューブを引き抜くといった事態を防ぐため身体をベッドなどに拘束することなどをいう。対象者の尊厳を傷つけたり、寝たきりの原因を作るなどの点で問題になり、厚労省は2000年に「身体拘束ゼロ作戦推進会議」を開催し、身体拘束廃止に着手。2001年には「身体拘束ゼロへの手引き」をまとめ、11項目の行為について原則禁止している。また、2003年4月からは介護保険事業者に対して、身体拘束を行った場合には記録の保存を義務化した。
2001年には原則禁止となった身体拘束ですが、実際問題、徘徊やベッドからの転落等による事故を防ぐための施設職員の負担は大変なもの。人手もかかります。今も、行政は拘束禁止を呼びかけており、現実として、拘束を行っている施設は少なくないと思われます。
徳洲苑でも、入所者がお怪我などされないように、かなり工夫しているはず。
「はい、結局そこが一番むずかしいところです。
抑えてしまえば、それでおしまいですけども。抑えないためには、どうしたらいいか。そこの工夫ですよね。これを、みんなで考えながらやっています」
石橋さんが、この仕事に就こうと思ったきっかけは、「自分の親の介護」。
それだけに、入居者様への目線にも温かいものを感じます。
「入所者さん自身の努力の結果ではありますが、ご自宅に復帰できるときの笑顔がたまらないですね。忘れられないです。私たちに「ありがとう」っていってくれて、帰っていかれるときがもう・・・みんなそれがはまるんじゃないかと思いますね。
それがないとやれないですね(笑)」。
いわゆる老人ホームと介護老人保健施設の違いは、
入所期間が最長でも12ヶ月(例外もあるようですが)と短いこと。
病院と自宅との間を結ぶ、リハビリテーションの施設という位置づけです。
比較的短い期間での触れ合いですが、
少しでも快適に過ごせるように、早く機能が回復するように、
明るく、懸命に、利用者を支えていこうとしている職員さんの姿が印象的でした。とっても素敵な笑顔でした。